「バタフライスツールに興味があるけど、本当に本物と偽物があるの?」と不安に感じていませんか?
1956年に柳宗理がデザインした世界的な名作家具であるバタフライスツールは、その美しいデザインと高い品質で多くの人に愛されています。
しかし、高い価格であることから、リプロダクト品や質の低い類似品が多く出回るようになりました。
本記事では、バタフライスツールの本物と偽物を見分けるための具体的な方法と、購入時の注意点をプロの家具知識を交えて詳しく解説します。
正規品を選びたい方も、リプロダクト品を検討している方も、この記事を読めば安心して購入できます。
バタフライスツールとは

バタフライスツールは、1956年に日本の著名なデザイナー柳宗理によってデザインされたスツール(背もたれのない椅子)です。羽を広げた蝶のような優雅なフォルムが特徴で、その美しさからルーブル美術館やニューヨーク近代美術館などの世界的な美術館にコレクションされている、日本を代表するデザイン家具の一つです。
正規品は、高い成形合板技術を誇る山形県天童市の「天童木工」により製造されています。2枚の成形合板とネジ、真鍮のステーという非常にシンプルな構造ながら、美しい形状と実用性を兼ね備えており、インテリアスペースのアクセントやサイドテーブル、踏み台など様々な用途で愛用されています。デザイナー柳宗理の父である柳宗悦が提唱した「用の美」という民藝運動の精神を体現した名作であり、使い込むほどに味わい深く経年変化を楽しめることが魅力です。
バタフライスツールの本物と偽物を見分ける方法

バタフライスツールの人気の高さゆえに、市場には多くのジェネリック品や偽物が出回っています。美しいデザインは多くのメーカーにコピーされ、品質や耐久性に大きな差が生じています。購入前に本物と偽物を正確に見分けることは、長期的な満足度と安全性を確保するうえで極めて重要です。ここからは、バタフライスツールの本物と偽物を判別する3つの具体的な方法をご説明します。
その① メーカーと価格で判断する
最も確実な見分け方は、メーカーを確認することです。正規品は天童木工製で、現行の定価は約57,200円です。これが本物の基準価格となります。市場に出ているバタフライスツールの多くは、この価格帯より安いリプロダクト(復刻版)または偽物です。
具体的には、1万円台以下で販売されている製品は確実に偽物またはジェネリック品です。例えば、Amazonで販売されている「monozu」のバタフライスツールは9,980円から販売されており、これはジェネリック品に該当します。楽天で見かける「Wing Stool」も21,780円で提供されており、同様にリプロダクト製品です。
正規品を購入したい場合は、天童木工の公式サイトや認定された正規販売店での購入をお勧めします。2万円から3万円台での購入は、まず間違いなく規格外の製品である可能性が高いため、注意が必要です。この価格差は、素材の質、製造技術、仕上げの精度に大きく反映されています。
その② 素材と製造品質で判断する
本物と偽物の大きな違いは、使用されている素材にあります。天童木工の正規品は、メープルまたはローズウッドの成形合板を使用し、クリアウレタン樹脂またはウレタン樹脂塗装で仕上げられています。一方、偽物やジェネリック品の多くは、天然木の薄い突板(つきいた)を合板に張り付けたり、ポリカーボネート素材を代用したりしています。
また、重量も判断基準になります。正規品の重量は2.2kgですが、軽すぎる製品は素材が粗悪である可能性があります。手に持ってみた時の質感、厚みのある木の風合い、塗装の滑らかさなどが、正規品と偽物を区別する重要な要素です。使用されている金属パーツも違い、正規品は真鍮メッキを採用していますが、偽物はステンレススチールやメッキ剥げしやすい素材が使われることが多いです。
購入前に実物を手に取って確認できる環境であれば、木目の美しさ、塗装の均一性、金属パーツの作りこみ、全体的なバランス感などを詳しく観察することをお勧めします。
その③ 形状とバランスで判断する
バタフライスツールは「立体商標」として登録されており、その形状自体が商品を示す重要な識別要素です。しかし、偽物やジェネリック品の中には、本来の形状やバランスが異なるものが数多くあります。蝶の羽を思わせる座面の左右の広がり、脚部の角度、全体的な高さバランスなど、わずかな違いが品質を大きく左右します。
正規品の具体的なサイズは、幅42.5cm、奥行31cm、高さ38.7cm、座面高34cmです。掲載されている写真が、実物と異なるプロポーションで表現されていたり、座面のフォルムが不自然であったり、脚部の付け根がアンバランスに見える場合は、偽物の可能性が高いです。
オンラインで購入する際は、複数の角度から撮影された写真を確認し、正規品の画像と比較することが重要です。形状が微妙に違う、説明文に曖昧な表現が多い、デザイナー情報は詳しく掲載されているのに製造元についての記載が不正確な場合は、購入を慎重に検討すべきです。
バタフライスツール購入時のポイント・注意点
バタフライスツールの購入を検討する際には、本物と偽物の見分け方だけでなく、購入戦略や長期的な投資価値についても考慮すべき要素があります。以下の3つのポイントを押さえることで、後悔のない購入決定ができます。
その① 正規品か認定リプロダクトかを事前に決める
購入前に、正規品と認定リプロダクト、どちらを求めているのかを明確にすることが重要です。正規品は約57,200円と高額ですが、職人による丁寧な仕上げ、経年変化による独特の美しさ、50年以上使用できるほどの耐久性が確保されています。メープルは時間とともに飴色に変化し、ローズウッドは色落ちして木目が浮き出すなど、使い込むことでしか得られない魅力があります。
一方、リプロダクト製品は2万円前後で購入でき、バタフライスツールのデザインを気軽に取り入れられるメリットがあります。品質にこだわらず、インテリアのアクセントとしてのデザイン価値を優先するなら、リプロダクトは十分な選択肢です。ただし、リプロダクト製品であることを販売サイトが明記しているかは必ず確認してください。一部のサイトでは、柳宗理のデザイナー情報を掲載しながら、実際には正規品ではない製品を曖昧な表現で販売していることがあるため要注意です。
その② 購入するなら信頼できる販売店を選ぶ
正規品を購入する際は、天童木工の公式オンラインストアや、家具専門の実績あるショップでの購入をお勧めします。偽物の被害を避けるためには、販売者の信頼性が最も重要な要素です。長年の経営実績、顧客レビューの充実、返品・保証制度の整備、メーカーとの公式な提携関係など、これらの要素が揃っているかを事前にリサーチしてください。
大手ECサイト(Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなど)で購入する場合は、販売者が個人出品者ではなく、法人運営の家具店であるかを確認することが重要です。また、商品説明にメーカー公式の記載があるか、出品者に対する評価や口コミが充実しているかも判断基準になります。価格が異常に安い場合は、必ず商品情報を複数のサイトと比較してから購入してください。
その③ 購入後は定期的なメンテナンスを心がける
バタフライスツールは成形合板素材であるため、定期的なお手入れが長期保有の秘訣です。正規品であれば、日常的な使用では特別なメンテナンスは必要ありませんが、汚れが目立つ場合は柔らかい布で優しく拭き、乾いた環境を保つことが重要です。
リプロダクト製品の場合は、塗装の質が正規品より劣ることが多いため、より丁寧なケアが必要です。湿度の高い場所での使用は避け、直射日光が当たり続ける環境も素材の劣化を早めます。購入した製品の取り扱い説明書(提供されている場合)に従い、適切なメンテナンスを心がけてください。
正規品であれば、長年使い込むことで表情が変わり、それが美しさを増す特性があります。これは投資としての価値であり、数十年単位での所有を前提に購入する価値があります。一方、リプロダクト製品は比較的短期での買い替えを想定して購入するのが、費用対効果の面からも合理的です。
まとめ
バタフライスツールは、その洗練されたデザインと実用性から、世界中で愛され続けている名作です。しかし、高い人気ゆえに市場には多くの偽物やジェネリック品が出回っており、購入者は正規品と偽物を見分けるための確かな知識が必要です。
本物と偽物の見分け方は、メーカー確認と価格体系の把握、素材と製造品質の観察、そして形状とバランスの検証という3つのポイントに集約されます。天童木工製の正規品は約57,200円が定価であり、これより大幅に安い製品は確実に偽物またはリプロダクトです。素材の質感、重量感、塗装の精密性、金属パーツの仕上げなど、細部まで正規品と比較することで、購入前に品質を判断できます。
購入時には、正規品か認定リプロダクトかを事前に決めたうえで、信頼できる販売店からの購入に努めてください。また、購入後は定期的なメンテナンスを心がけることで、長期的な所有価値を保つことができます。バタフライスツールは、単なる家具ではなく、デザインと実用性の完璧な融合であり、正しい知識のもとに購入することで、その真の魅力を享受することができるのです。