家具の寿命について|目安と買い替えのタイミング

古くから、桐たんすは孫の代まで使い継ぐと言われているように、家具は大切に使えば長く使える、生活の中で重要な役割を果たすものです。一言で家具と言っても、使い方や素材によって寿命が異なります。

本記事では、家具の種類別の寿命と買い替えのタイミングについて詳しく解説します。

家具の寿命の目安

家具の寿命はその種類や素材によって前後します

天然木の家具

ダイニングテーブル。食器棚。ウォールナット一枚板。ウォールナット無垢材。製作事例写真。

寿命: 30~100年

自然素材である木は、湿度や温度の変化に影響を受けやすいですが、適切に手入れすれば長く使えますし、用途に合わせた加工や塗装をし、丁寧な修繕を重ねていくことで人よりも長く生きると言われています。

木は、伐採して木材となった後にも、育ってきた年数以上に使うことが出来ると言われています。天然木家具で使われる木材には、若くて樹齢30年、中には樹齢100年、200年以上の木も使われています。

事例写真1。両面から楽しめる。ディスプレイ壁面収納。

永い時間をかけて育った木だからこそ、木材になってからも永く人間と生きていくことが出来る。天然木の魅力の一つです。

布張りソファ

寿命: 7~15年

柔らかい印象でご自宅に置かれる方も多い布張りのソファは、クッションのへたりや布地の摩耗が寿命を決定します。使用頻度が高いと劣化が早くなります。

座る場所を分散したり、使用前に撥水加工をするなどの工夫をしておくと比較的寿命も長くなるでしょう。

骨組みが天然木などで作られている場合は、木材の状態によっては張り直しをすることで新しく使えるソファに生まれ変わらせることも可能かと思います。

レザーソファ

寿命: 10~20年

自然素材であるレザーも耐久性が高く、木材と同様に適切に手入れすれば長持ちします。

ただし、日光や湿度に弱いため管理に気を使う必要がある側面もあります。

設置箇所を工夫したり、日々のお手入れを習慣化していただけると長く愛用できる家具になるでしょう。

経年変化も楽しめるので、永く使いながらともに育っていくような、愛着が生まれる家具の一つです。

マットレス

寿命: 7~10年

スプリングのへたりや素材の劣化が寿命を決定します。快適な睡眠を保つために定期的な買い替えが必要です。

昔ながらのお布団も打ち直しという定期的なメンテナンスが必要なのと同様に、マットレスもメンテナンスが必要です。

特に体の大きい方が使用する場合は負荷も大きく寿命も短くなってしまいます。

合板などの加工木材で作られたダイニングセット

寿命: 5~10年

量販家具店などで購入が可能なダイニングセットなどには、合板などの加工木材が主に使われています。

その家具の特徴としては、テーブルや椅子のぐらつき、表面の傷や劣化が寿命を決定します。

特に引っ越しを重ねて仕舞うと微妙なずれが生じて仕舞う場合があります。

そのまま使っていくと、バランスを取るために木の面が削れてしまったりとさらに劣化が早くなって仕舞うので、定期的にネジの締めなおしなどメンテナンスをすることで長く使うことができます。

収納家具

食器棚/カップボード。ナラ無垢材。製作事例写真。

寿命: 20~30年

壁面収納やキャビネットなどの収納家具は、扉や引き出しの動き、表面の状態が寿命を決定します。

特に水回りで使わない収納家具であれば長持ちしやすいです。また、本棚などでは棚板の構造や板厚を確認してから購入しないと、経年で棚がたわんでくることがありますので、購入時に注意が必要です。

また、天然木の収納家具は特に長持ちします。

家具の修理や買い替えのタイミング

それぞれの家具には大体の寿命がありますが、利用状況や設置状況による環境要因や個体差も大きいので家具の状態で判断してみてください。

以下に家具の修理や買い替えを考えるきっかけになるような劣化のサインの例を挙げました。

家具の劣化のサイン

天然木の家具

ひび割れ、ぐらつき、色褪せ

布張りソファ

クッションのへたり、布の摩耗や破れ

レザーソファ

クッションのへたり、レザーのひび割れや破れ

マットレス

スプリングのへたり、明らかなへこみや凹凸

ダイニングセット

テーブルのぐらつき、椅子の脚の劣化や破損

収納家具

扉や引き出しの不具合、棚板のたわみ

例えば、天然木でできた家具や、布張りソファ、レザーソファーなどは修繕をすることによって、元のように使える家具もあります。

長く大事に使っていきたい方は、修理をして使い続けやすい素材を選んであげると良いでしょう。

マットレスなどは消耗品として買い替えのタイミングと考えた方が良いでしょう。

家具の快適性の低下

長期間使用していると、快適性が低下し、健康や生活の質に影響を与えることがあります。例えば、ソファやマットレスのへたりは腰痛や肩こりの原因になることがあります。

家の中で長く使うものについては、定期的なメンテナンスや買い替えを行った方が、体の負担も減り最終的なコスト面は総合すると安くすむ場合もあります。

安全性の問題

劣化した家具は安全性に問題が生じることがあります。特に、ぐらつく家具などは怪我の原因になることがあるため、早めの買い替えが推奨されます。

特に地震大国の日本では、収納家具など高さのありがちなものは定期的に強度などの確認をしておくのが良いでしょう。

天然木で作るオーダーメイド家具の寿命

一般的に天然木自体の寿命は長いですが、オーダーメイドで作ることで既製品よりも用途に最適な木材と、加工をすることができ、寿命が長くなりやすいです。もちろん使用頻度や手入れの方法によって変わります。

定期的なメンテナンスを行うことで、さらに長持ちさせることができます。

また、職人が手作りで製作しているため、修理や再加工もしやすくなっています。

KIJINにも、以前に作られた(KIJINで製作したものもKIJIN以外で製作したものもございます)家具の修理のご依頼をいただくことも多く、家具を大切に永く使われるお客様の想いにいつも感動しながら修理をさせていただいています。

まとめ

家具の寿命を理解し、劣化のサインを見逃さずに適切なタイミングで買い替えることで、快適で安全な生活環境を維持することができます。

オーダーメイド家具も選択肢の一つとして検討し、質が高く、永く使い続けられるような家具を長く使うことをおすすめします。

KIJINで修理を担当した桐ダンスの事例

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