木の生命力に包まれる極上の安眠。「これなら熟睡できる」お客様の人生を変えた、樹齢500年のケヤキ一枚板ベッド

私はオーダーメイド家具の専門ライターとして、お客様の「譲れないこだわり」を形にするお手伝いをしています。今回ご紹介するのは、「木の生命力に包まれる、ケヤキの一枚板ベッド」の制作事例です。

ご依頼いただいたのは、以前ご自宅のワークデスクも納品させていただいた岩崎様（大阪府大阪市/30代/単身女性）です。このベッドは、単に寝るための道具ではなく、お客様の長年の切実な悩みを解決し、人生の質を高めるための「唯一無二の場所」となることを目指した、特別なプロジェクトでした。

切実な悩みと、木材への期待

お客様からのご依頼のきっかけは、自宅でずっと熟睡ができず、本当にゆっくり寝れる日がほとんどないという切実なお悩みでした。

家にいる時間を大切にし、活力を生むための最も重要な時間である睡眠時間を見つめ直したい。そう考えたお客様は、以前ご納品したワークデスクを通して、無垢の木材や一枚板が持つ「木の生命力」に魅力を感じていらっしゃいました。

「木に囲まれて寝れば、もしかしたら熟睡できるのでは」という強い想いから、木製のベッドを創って欲しいとご相談をいただきました。

この切実なご要望に応えるべく、KIJINは「一枚板で木の生命力に包まれるようなベッド」の制作を提案しました。

樹齢500年！ダイナミックな生命力を宿す「国産ケヤキ」の選定

ダイナミックな木目に「ずっと見ていられる」

木材選定の打ち合わせでは、数ある木材の中でも、**最もダイナミックで生命力を感じられる**、国産のケヤキ材を贅沢に使うことをご提案しました。

今回使用したのは、**樹齢500年**ほどはいっているであろう「名木」と呼べるレベルの巨大なケヤキの一枚板でした。その杢目から表現されるダイナミックな生命力は圧巻で、お客様も**「ずっと見ていられる」**と唸るほど素晴らしい表情を持っていました。

私たちは、この巨大なケヤキ材を、最も目につく**ヘッドボード（頭元の板）**と**フットボード（足元の板）**、そして**サイドボード（側面の縁側部分）**の全てに使用するという、非常に贅沢な仕様をご提案しました。これにより、ベッド全体がケヤキの木に包まれるような、**「新しい感覚」**を生み出すことを目指しました。

熟睡を誘い、圧迫感を消すための機能的なデザインと職人技

圧迫感の解消と浮遊感の演出

今回ベッドを設置するお部屋はそこまで広くはないという事情もあり、ベッド本体の「圧迫感」を抑える必要がありました。

KIJINからの提案では、お部屋全体で圧迫感が出ないよう、本体の高さをわずか15cmと低めに設定しました。また、ベッドの台座をフットボードやサイドボードよりも内側に寄せて配置することで、まるでベッド全体が床から少し浮いているような、軽やかなデザインに仕上げる工夫も凝らされています。

「縁側」という機能美と湿気対策

熟睡の妨げとなる湿気対策も不可欠です。マットレスの下の部分は、湿気が溜まるといけないため、通気性の良いスノコ式にします。このスノコ材には、ファルカタという軽く、通気性に優れた木材（桐と同等の木材として使われる）をオリジナルで製作して使用しています。台座の下にもスペースを空け、湿気が溜まってカビが生えづらいように通気のための工夫が施されています。

また、お客様が以前からご要望されていた「くつろぎ」の要素も組み込みました。マットレスの幅をあえて少し小さめに設定し、その結果、ベッド本体の周りにできる**余剰スペース**を、まるで**「縁側」**のように活用できるようにしました。この縁側部分に腰かけて本を読んだり、起きた時に足を置いてくつろいだり、多目的に使うことが可能です。この「縁側」部分の材料も、もちろん一枚板のケヤキ材を使用しています。

ダイナミックな木目と伝統技術「ちぎり」

ヘッドボードには、ダイナミックで荒々しい耳（木の皮の部分）と、力強い木目が楽しめる部分を贅沢に使用しました。ヘッドボードは、少し斜めに傾けることで、寄りかかったりすることもできる設計です。

天然木ならではの特性として、一部に「割れ」が生じる可能性がある箇所がありました。KIJINの職人技として、割れの進行を抑えるために、蝶々のような形（千切り）の埋木を施す**『ちぎり』**という伝統的な加工技術を施し、木の持つ歴史をデザインの一部として取り込みました。

納品後の大反響。「人生の1/3が豊かになりました」

熟睡できるようになったという最高の喜び

このベッドは、将来的な引っ越しにも対応できるよう、再度の組み換えが可能な組み立て式として設計・制作されています。

納品時、完成したベッドを見たお客様は、「本当に生命力がありますね！圧巻の木に包まれる、新しい感覚が感じられるベッドになりました。ありがとうございます」と大変感動されました。

そして、納品からしばらく経った後、改めてお客様に声を伺うと、「驚きです」という感想をいただきました。以前の課題だった、自宅での熟睡が本当にできるようになったのです。「これで、人生の1/3を過ごす睡眠の時間がより豊かになりました」と、お客様から最高の喜びの声をいただくことができました。

樹齢500年のケヤキの圧倒的な存在感と生命力、そして職人の技術とデザインが融合したこのベッドは、お客様の長年の悩みを解決する「唯一無二のベッド」となりました。

制作品詳細

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