無垢材とは?無垢材の種類や特徴、お手入れ方法について解説

1. 無垢材とは


無垢材とは、一本の原木をそのまま切り出した天然の木材のことを言います。薄くスライスして接着剤で貼り合わせた合板などとは違い、断面に継ぎ目がなく、全て天然の木の板がそのまま使われています。

そのため、合板やベニヤ板と異なり、木の自然な風合いや質感、触った時の得も言われぬ安心感が特徴です。


無垢材の種類

無垢材として使われる木の種類は何百種類もありますが、その中で一枚板でも使われるオススメの樹種をご紹介します。

  • ウォールナット
  • トチ
  • イチョウ
  • ミズメザクラ
  • ケヤキ

ウォールナット

ウォールナットは、高級感のあるダークトーンの色合いが多くの方に好まれています。ダイニングテーブルや書斎のデスクなど、置くだけで空間の主役になる存在感と高級感が大人気の樹種です。

主に、アメリカ東部やカナダのオリンタリオ州などが産地となっており、日本にはない樹種です。

マホガニー、チークと並ぶ、「世界三大銘木」の一つの世界的に人気と権威性の高い銘木です。

高級感のある美しい木目が特徴的で、家具制作においては家具材のロールスロイスとも呼ばれています。

知名度も高い樹種なので、名前だけは聞いたことがある人も多いでしょう。

日本では、1970-80年代にブームになり、ここ最近で再度人気に火がつきサイズや木目の良い板を探すのが大変な樹種となってきています。


ウォールナットは密度が高く、重い樹種です。

安定感が抜群で、衝撃にも強く、耐久性にも優れています。


リンク:ウォールナットについて


制作事例

クリエイティブな仕事に!ウォールナット一枚板デスク

天秤モチーフ、ウォールナット材の会議室大テーブル

 

トチ

トチは、ウォールナットのダークな色合いと対照的に、優しく明るい色味が特徴で、ダイニングテーブルやカウンター天板などで人気が高い樹種です。

トチは、日本全国の水辺近くに生育しており、北海道南部や東北地方などが主な産地です。

耐久性に加えて、加工性の高さからテーブルだけではなく、椅子やキャビネット、ベッドフレームなどの幅広い家具に向いています。


また、トチは様々な色味や木目を楽しめる樹種でもあります。

個体差が大きく、白っぽい木材やオレンジ味の強いものと様々あり、木目に関しては、「縮み杢」が見られ、見る角度によって光の光沢が変わり立体的でキラキラと光って見える木目になっています。

ここ数年で人気が高まり、良い板はすぐに売り切れてしまう状態となっています。



リンク:トチについてはこちら


制作事例

圧巻!繋がる木脚。トチの特大一枚板テーブル


イチョウ

イチョウは、優しい色合いと整った樹形、上記2樹種に比べて金額も安価なため、非常にバランスが良くオススメの樹種です。

産地としては、国内に広く自生しています。大気汚染などの公害や害虫にも強いため街路樹用としても植えられています。比較的軽い木材なので、取り扱いがしやすい点もポイントです。イチョウの木材は、その柔らかな風合いや美しい色合いを活かし、テーブルだけではなく、椅子、キャビネット、床材、窓枠などの家具や建築物に多く使われます。


個体差はありますが、直線的な木目が特徴的なストライプ模様が綺麗に入っている木材が多いです。


リンク:イチョウについてはこちら


制作事例

在宅ワークのやる気が上がる、イチョウの一枚板デスク

みんなでやさしい食卓を囲めるダイニングテーブル



ミズメザクラ

ミズメザクラは、少しピンクやオレンジがかった色味と、波のような縮杢が美しく、特に助成に人気の樹種です。

日本が特産の樹種です。

樹種としての総量は少ないため、一般的に流通が多くはなく希少価値の高い木になります。


家具作りにも使われる木材ですが、内装材や工芸品など幅広く生かされています。

また、昔はミズメザクラの弾力性を活かして弓なども作られていました。

木目に関しては、「縮み杢」出ることが多く、見る角度によって光の光沢が変わり立体的でキラキラと光って見える木目になっています。


色味は芯材(中央部分)と辺材(両サイド部分)の色の差もあり、経年変化も楽しめるため、長くテーブルを楽しみたい方にはぴったりです。


リンク:ミズメザクラ


制作事例

ソファに合わせた高さ!ミズメザクラの一枚板テーブル


ケヤキ

ケヤキは、オレンジや赤み、黄色や金色など多彩な色味とダイナミックな木目に和の心と木の生命力を感じられる、日本で常に人気の高い樹種です。

産地としては、国内で多く栽培されています。

ケヤキはその耐久性と強度を活かし、家具制作や建築材として多く使われています。清水寺の舞台や、日本最古の城「丸岡城」の天守の柱に使用されるなど、古くから日本にとって重要な建物の柱にも使われてきた日本を代表する広葉樹です。


ケヤキの木はとくに木目が美しいとされており、生命の躍動を感じさせるようなダイナミックな木目の流れが特徴的です。如輪杢という特別な杢が出る事もあり、これは杢の中でも最高級の杢とされています。


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製作事例

移動もかんたん。ケヤキ一枚板ローテーブル


無垢材の利点

自然な木目と色合いがインテリアに温かみと高級感を与える美しい見た目は何よりも無垢材が選ばれる理由です。

また、厳しい自然環境の中で数十年以上に渡り育ってきた天然の木をそのまま使った無垢材は、耐久性という面においても頑丈で長持ちし、適切なメンテナンスを行えば数十年、時には世代を超えて使用可能で、人生を共に歩める家具として選ばれやすくなっています。


無垢材は、再生可能な資源であり、持続可能な方法で管理・伐採されることが多く近年のSDGsの観点からも選択されやすいといえます。化学物質を含まず、アレルギーやシックハウス症候群のリスクが低い点からも幅広い世代、状況の方も選びやすい素材です。


さらに、無垢材に触ることや見ることでリラックス効果が上がり人間の脳内のα波の動きが活性化したり、疲労感を緩和させたり、快眠効果があったり、様々な効果があることが科学的に証明されています。




2. 無垢材の特徴と魅力

自然な風合いと美しさ

無垢材の最大の魅力は、その自然な風合いと美しさです。木目や節、色合いが一本一本異なるため、同じ無垢材でも全く同じものは存在しません。これにより、無垢材家具は一つ一つが唯一無二の作品となり、部屋の中で独特の存在感を放ちます。

木の手触り、香り、見た目からも温もりを感じられます。木目からは、1/F 揺らぎといわれる癒し効果があります。木材は五感を豊かにしてくれる魅力に溢れています。


KIJINでオーダー家具をご依頼される方の多くは、無垢材にしかない鮮やかさや存在感に魅力を感じていただけています。


耐久性と長寿命

無垢材は非常に頑丈で、適切なメンテナンスを行うことで何世代にもわたって使用することができます。


無垢材の家具は、傷やへこみがあっても修復が容易であり、再塗装や補修が可能です。これにより、長期間にわたって美しい状態を保つことができます。


KIJINでは、家具の修理も賜っており、KIJINでは製作していない50年以上前のものから、KIJINで手がけた家具までできるだけ長い時間を無垢材の家具と共に過ごしていただきたいと考えております。



環境への配慮

無垢材は、再生可能な資源であり、持続可能な方法で管理されている森林から伐採されます。合板やベニヤ板の製造過程で使用される化学物質が含まれないため、環境に優しい選択となります。また、無垢材の家具は長寿命であるため、廃棄物の削減にも寄与します。


健康面での安全性

無垢材は、化学物質を含まないため、室内空気の質を保つことができます。特にシックハウス症候群やアレルギーのリスクを減少させるため、健康志向の高い家庭に適しています。また、無垢材の家具は、自然な香りや触り心地があり、心地よい空間を作り出します。




3. 無垢材を使ったオーダーメイド家具のメリット


個別のデザインとカスタマイズ

無垢材を使ったオーダーメイド家具は、使う方の要望に合わせたデザインやサイズにカスタマイズできます。

これにより、部屋のスペースやインテリアに調和する家具を作ることができます。「どんなデザインだったら我が家のインテリアに合うのかが分からない」「どのぐらいのサイズだったら部屋に合うのか分からない」というお困りをお持ちの方でも、ご要望やお部屋のイメージを伺いながら、オーダーメイド家具の専門家スタッフが、あなただけの家具のご提案が出来るところもオーダーメイドの魅力の一つです。

また、加工の自由度も高いため、無垢材の特性を最大限に生かしたデザインが可能です。

最近リピートで注文が入る製作事例をご紹介

新居のキッチンにぴったり合わせたい。ナラ無垢天板の食器棚

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品質と職人の技

オーダーメイド家具は、熟練した職人が一つ一つ丁寧に作り上げるため、高品質で細部までこだわった仕上がりにすることができます。

無垢材の特性を理解した職人が手掛けることで、木の自然な風合いや美しさを引き出すことができます。

KIJINの家具をいくつも製作してくださっている職人さんをご紹介

職人:大川さんの作った家具

木の生命力に包まれる、ケヤキの一枚板ベッド

おばあさまの代からの桐ダンスを修理

長期的なコストパフォーマンス

無垢材のオーダーメイド家具は初期コストが高めですが、耐久性が高く、長く使えるため、長期的にはコストパフォーマンスが良い選択となります。また、メンテナンスが容易であるため、修理や再塗装を行うことで、さらに寿命を延ばすことができます。


4. 無垢材のデメリットと注意点


コストの高さ

無垢材は合板などと比べて高価であり、特に希少な木材や大きな家具の場合、コストが大幅に上昇することもあります。オーダーメイド家具は一つ一つデザインや加工方法を変えて製作するため、一般的な規格品の家具よりは高価になることが多い傾向にあります。ただし、規格品とは違い仕様が変えられるため、ご予算に合わせて木材や仕様などを調整して行くことも可能です。


環境条件に敏感

無垢材は湿度や温度の変化に敏感で、適切な環境でないと反りや割れが発生することがあります。特に日本のような湿度の高い環境では、設置場所や保管方法に注意が必要です。適切な湿度管理や、直射日光を避けることが重要です。


ちなみに、無垢材に限らず加工木材でも同じことが言えます。人が過ごしやすい湿度や温度を保っていただければ気にしなくても良いですが、長い間倉庫に放置する…などはできる限り避けたいところです。


メンテナンスが必要

無垢材家具は、定期的なメンテナンスが必要です。オイルやワックスを定期的に塗布することで、木の表面を保護し、風合いを維持する必要があります。これにより、無垢材の美しさと耐久性を長期間にわたって保つことができます。メンテナンスを行いながら一緒に長期間過ごすことで、家具そのものへの愛着や愛情も年を経るごとに増していきます。



5. 無垢材のメンテナンス方法

毎日の簡単なお手入れを行っていただくだけで、無垢材の家具は長く使っていただくことが可能です。

日常の手入れ


掃除方法

柔らかい布での乾拭きが基本です。ホコリや汚れを定期的に取り除くことで、木の表面を清潔に保ちます。水や化学薬品を使わないように注意します。

清掃用品

木製家具用の専用クリーナーを使用することが推奨されます。木の表面を傷つけないよう、優しく拭き取ることが重要です。


定期的なメンテナンス



オイルやワックスの塗布

無垢材家具には、定期的にオイルやワックスを塗布することで、木の表面を保護し、風合いを維持することが必要です。特に乾燥しやすい環境では、頻繁にメンテナンスを行うことが推奨されます。

修理

傷やへこみが発生した場合は、早めに修理することが重要です。無垢材は修復が容易であり、再塗装や研磨を行うことで元の美しさを取り戻すことができます。



注意すべきこと


直射日光

直射日光に長時間晒されると、木の色が変わったり、乾燥して割れが生じることがあります。適切な場所に設置することが重要です。

湿度

無垢材は湿度の変化に敏感であるため、適切な湿度管理が必要です。特に湿度の高い季節には、除湿器を使用することが推奨されます。





まとめ


無垢材は、天然の木材を使った高品質で美しい素材であり、オーダーメイド家具に最適です。

無垢材家具の選び方やメンテナンス方法を理解し、長く愛用できる一品を手に入れましょう。

オーダーメイド家具の魅力を最大限に引き出すためには、信頼できる職人やメーカーを選び、細部までこだわった家具を作ることが重要です。



KIJINでは、無垢材にこだわり永くともに過ごせる家具の製作作りを行っています。あなたのこだわりの無垢材家具のお手伝いをさせていただけると幸いです。

ぜひ、お気軽にお問い合わせください。



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